はじめに、英語教育を行う際に大前提として意識しておきたいことは、
「英語ですることは日本語でもする」
ということです。
日本に住んで普通の暮らしをしていれば、インターナショナルスクールなどの英語漬けの環境ではない限り、日本語は自然に身につきます。
しかし、日本語で「学力」も身につけることを考えたときはどうでしょうか?
それは自然に身につくものではないというのは想像しやすいと思います。
幼児教育で有名な公文式でも「うた200曲、読み聞かせ1万回」をスローガンとして掲げているように、乳幼児期に童謡を歌うことや絵本の読み聞かせをすることは、言葉の発達、そしてその後の基礎学力を身につけていく上で、なくてはならない大切な過程です。
英語においても同様で、乳幼児期からの英語教育では「歌のかけ流し」や「絵本の読み聞かせ」からスタートしますので、早期英語教育をする場合、
本当であれば日本語を使って過ごせるはずだった時間を、
英語の時間に充てていることを自覚する必要がある
のです。
日本語や英語を話せること「のみ」を目標にするのであれば、その点は問題ありません。
しかし、多くの方が日本語も英語も話せるバイリンガルを目標にするのはもちろん、それと同時に学力も身につけてほしいと考えるのではないでしょうか?
英語教育を頑張ろうと思うと、つい英語を優先して考えてしまいがちです。
日本語だらけの環境で、英語に触れる時間を作ってあげなければいけないのですから、それは自然なことですよね。
しかし、話せるようになることと学力を身につけることはまた別の話。
日本で暮らす限り学力のベースは日本語となりますから、「英語ですることは日本語でもする」ということを常に意識する必要があるのです。
また、実際のところ日本語も英語も同レベルで運用するバイリンガルというのは稀であり、バイリンガルであってもどちらかの言語が優位になるのだそうです。優位というのは、とっさに出るひと言や学問的に深い思考が必要な場面で使う言語というイメージですね。
その場合、
日本語と英語、どちらの言語を優位にさせてあげたいですか?
私自身、我が子にはやはり母語である日本語を優位にさせてあげたいと考えています。
そのため、
日本語でやりたいと思っていることは減らさずに、
むしろ英語の”2倍”取り組むよう強く意識しています。
例えば英語の絵本を5冊読むのなら日本語の絵本は10冊読み、英語の歌を1時間聞かせるのなら日本語の歌は2時間聞かせる。
そのように常に日本語での取り組みを増やすよう意識しています。
早期英語教育を行う前に、自分は日本語と英語をどのようなバランスで取り組んで行きたいのか、ぜひ一度考えてみてくださいね。