【国内に200校以上!】学んだことが社会で活かせる。世界標準の教育プログラム!国際バカロレアとは。

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  • 国際バカロレアって何?
  • インターナショナルスクールと何が違うの?
  • どうやったら国際バカロレアを受けられるの?

教科や国家を越えた生きる力を身に着ける教育を推進する為に、政府は2021年(令和3年)6月の閣議決定で、国際バカロレア認定校を2023年3月までに200校以上に引き上げる取り組みを発表しました。

その後、国際バカロレア機構との協力のもと文部科学省IB教育推進コンソーシアムは、IB教育の普及・促進に係る必要な環境整備や学校への支援等に取り組み、目標であった200校に到達しました。
そして、 2024年(令和6年)3月時点では、国際バカロレア認定校等数は241校となってます。

増えてきたとはいえ、まだまだ「国際バカロレア」に馴染みのない方に向けて、
・「国際バカロレア」とは何か?
・日本の教育のどこに導入されているのか?
について調べたことを解説させて頂きます。

国際バカロレアを全く知らない方への入門編になればと思います。


1.バカロレアの語源

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バカロレアの語源は、中世ラテン語の「baccalarius」に由来し、小作農や牛の飼い主を意味していました。 その後、「騎士を志す若者」を指す言葉として使われるようになりました。




2.2つのバカロレア

フランスのバカロレア

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フランスのバカロレア(仏: Baccalauréat)とは、フランスの高校の終わりに行われる国家試験で、中等教育の修了と大学入学の資格を兼ねるものです。 この試験に合格してバカロレアの資格を取得すれば、基本的にはフランスの希望する大学に入学することができます。
また、フランスのバカロレアは世界中の大学でも認められており、高い教育水準を示す資格となってます。



国際バカロレア(IB)

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国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)は、世界共通の教育プログラムと大学入学資格です。 外交官や国際機関職員、駐在員などの子女がインターナショナルスクールを卒業後、様々な国の大学に円滑に入学できるよう、世界共通の大学入学資格および明確な成績証明書を与えることを目指したことにあります。
今回解説するのは、こちらの国際バカロレアです。




3.国際バカロレアと国際バカロレア機構

国際バカロレア(IB)

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国際バカロレアは(IB)、国際バカロレア機構(本部ジュネーブ)が提供する3歳から19歳までの学生を対象とした国際的な教育プログラムのことです。 国際バカロレア(IB)は、高い教育基準を持ち、学生の学術的および個人的な成長を促進することを目的としています。 国際的な視点を重視し、探究的な学習、個別の強みの発見、社会的責任の育成を目指しています。

国際バカロレア(IB)は、世界を3つに分けて展開しています。日本はアジア太平洋地域に含まれ、シンガポールにオフィスがあります。




国際バカロレア機構(IBO)

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国際バカロレア機構(IBO)とは、1968年スイスのジュネーブに設立されたIBプログラムの運営と認定を行う非営利団体です。 学校や教育機関に対して、IBプログラムの認定やIBプログラムを提供するために必要なガイドラインや評価基準を提供しています。

国際バカロレア機構は、世界中の認定校と候補校に対し、主に次の4つを行っています。

①認定校に対する世界共通カリキュラムの作成

国際バカロレア(IB)プログラムを開発し、提供しています。 評価方法などバラつきが出ないようになど、IBプログラムの質を保証し、国際的な標準を維持しています。

②学校の認定

国際バカロレア(IB)プログラムを提供するための学校の認定を行います。学校がIBプログラムを実施するためには、国際バカロレア機構(IBO)の基準を満たす必要があります。
認定プロセスは厳格で、学校の教育方針、カリキュラム、教員の資格などが評価されます。 認定後も定期的な評価と監査が行われ、学校がIBの基準を維持しているかどうかが確認されます。

③教員のトレーニング

IBプログラムを教えるための教員トレーニングを提供します。教員がIBの教育理念と方法に精通することを支援します。

④試験と評価

ディプロマ・プログラム(DP)などの試験や評価を実施します。




4.国際バカロレアの歴史

1950年代

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第二次世界大戦後の国連職員は、家族を伴って国家間を移動することが多くなりました。しかしこの頃は、海外の児童・生徒を受け入れるインターナショナル・スクールなどの教育機関は各国に存在したものの連携が進んでませんでした。

その為、転勤のたびに、子ども達は、これまで使って来た教科書が使えなかったり、これまでに取得してきた単位が使えなかったり、母国へ帰国後、または、他国へ移動した際に、その国の学校や大学への入学資格を得られないという、子どもの教育が止まってしまう問題が発生してました。

そこで、世界中の学校で同じ教育プログラム・学業評価システム・卒業資格を提供することについて、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)による財政的支援のもと、ジュネーヴ・インターナショナル・スクールや各国のインターナショナル・スクール校長・教員、国連職員を中心とした生徒保護者たちが本格的に議論し始めました。


1962年

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この年に開催された各国の教員による国際会議(ISA国際会議)は現在のIBプログラム開発のきっかけとなり、さらに、 日本の大学入試センター試験に相当する、
・イギリスの大学入学基礎資格試験(GCE)
・フランスのバカロレア試験(baccalauréat)
・アメリカの大学進学適性試験(SAT)
の主催機関・団体の後援を受けながら、 IB資格(大学入学資格)の制度開発が進められました。


1968年

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スイス・ジュネーブに国際バカロレア機構(IBO)が設立されました。
その教育方針は国際平和や異文化理解・尊重などの普及を目指すものであり、あらゆる国に居住するという特殊な環境で育つ子どもたちに適した教育を受けさせるものとなります。
このような方針は、現在のIB機構のミッションにも受け継がれています。


1970年代以降

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IBプログラムを教育課程として採用するインターナショナル・スクールやIB資格を大学入学資格として認める大学が各国に増えていき、現在のように企業の海外駐在員の子どもたちや海外の大学進学を希望する国内の生徒もIB課程を選択するようになっていきます。




5.国際バカロレアの教育

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国際バカロレアの理念(教育の目的)

国際バカロレア機構が掲げる教育理念は、「全人教育」に基づいています。
「全人教育」とは、知識・技能教育に偏することなく、感性・徳性なども重視して、人間性を調和的、全面的に発達させることを目的とする教育のことです。

国際バカロレアの理念は、多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する、探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成です。
この理念には、

・21世紀を、担う若者には世界レベルで物事を考えて欲しいという想い。

・お互いが同じになる必要はなく、違いを積極的に理解する姿勢が必要。

という、2つの大きなメッセージが込められています。



国際バカロレアの使命(理念を実現するための具体的な行動や目標)

国際バカロレアは、理念の実現のため、学校や政府、国際機関と協力しながら、チャレンジに満ちた「国際教育プログラム」と「厳格な評価の仕組み」の開発に取り組んでいます。

IBのプログラムは、世界各地で学ぶ児童生徒に、

・人がもつ違いを違いとして理解し、

・自分と異なる考えの人々にもそれぞれの正しさがあり得ると認めることのできる人として、

・積極的に、そして共感する心をもって、

・生涯にわたって学び続ける

よう働きかけています。

このようにIBプログラムでは、「国際的な視野」をより明確な言葉で定義づける試みと、 実践を通じてその理想に近づこうとする努力を、IB認定校の使命の中心として位置づけています。



国際バカロレアの学習者像

国際バカロレアの理念のもと、それを実現するための具体的な学習者の姿が「10の学習者像」です。 これは、子ども達が、国際的な視野を持って、未来に活躍できる人材になる為に、どのような姿勢で学んでほしいかを表したものです。

探究する人

私たちは、好奇心を育み、探究し研究するスキルを身につけます。ひとりで学んだり、他の人々と共に学んだりします。熱意をもって学び、学ぶ喜びを生涯を通じてもち続けます。

知識のある人

私たちは、概念的な理解を深めて活用し、幅広い分野の知識を探究します。地域社会やグローバル社会における重要な課題や考えに取り組みます。

考える人

私たちは、複雑な問題を分析し、責任ある行動をとるために、批判的かつ創造的に考えるスキルを活用します。率先して理性的で倫理的な判断を下します。

コミュニケーションができる人

私たちは、複数の言語やさまざまな方法を用いて、自信をもって創造的に自分自身を表現します。他の人々や他の集団のものの見方に注意深く耳を傾け、効果的に協力し合います。

信念をもつ人

私たちは、誠実かつ正直に、公正な考えと強い正義感をもって行動します。そして、あらゆる人々がもつ尊厳と権利を尊重して行動します。私たちは、自分自身の行動とそれに伴う結果に責任をもちます。

心を開く人

私たちは、自己の文化と個人的な経験の真価を正しく受け止めると同時に、他の人々の価値観や伝統の真価もまた正しく受け止めます。多様な視点を求め、価値を見いだし、その経験を糧に成長しようと努めます。

思いやりのある人

私たちは、思いやりと共感、そして尊重の精神を示します。人の役に立ち、他の人々の生活や私たちを取り巻く世界を良くするために行動します。

挑戦する人

私たちは、不確実な事態に対し、熟慮と決断力をもって向き合います。ひとりで、または協力して新しい考えや方法を探究します。挑戦と変化と機知に富んだ方法で快活に取り組みます。

バランスのとれた人

私たちは、自分自身や他の人々の幸福にとって、私たちの生を構成する知性、身体、心のバランスをとることが大切だと理解しています。また、私たちが他の人々や、私たちが住むこの世界と相互に依存していることを認識しています。

振り返りができる人

私たちは、世界について、そして自分の考えや経験について、深く考察します。自分自身の学びと成長を促すため、自分の長所と短所を理解するよう努めます。


上記10項目は、国際バカロレアの全てのカリキュラムの中で、意識できるようになっています。例えば、

・この課題は「探求する人」になるためのもの

・この課題は「挑戦する人」になるためのもの

といった感じで、学習者像を意識したカリキュラムになっています。

この10の学習者像を育んでいくために、

・ゴールを段階的にレベルアップさせる。

・教師は、生徒以上に学び続ける。

などの取り組みが、学校現場で行われています。



国際バカロレアの教育

日本の教育の場合、教室で行われていることが世の中で起きていることと、なかやか結びつかない状況がみられます。

国際バカロレアの教育では、今学んでいることが、世界の動きを理解するのにこんな風に役に立つ、ということを実感できる授業の展開を目指しています。 その為には、知識中心ではなく、「概念」を大事にして、教科と教科との有機的な繋がりが意識できるような学習になっています。
主に、次のような特徴があります。

探求・行動・振り返り

知識注入型ではなくて、自ら課題発見し、探求をして、探求により生まれた責任に基づいて今自分にできることを行動に移していきます。 それを振り返って次の探求に繋げていくという、探求サイクルを大事にしています。

協働学習

子ども達が今後社会に出たときに、様々なバックグラウンドの人達と知識を持ち寄って新しい課題解決を創造していけるような体験を若い頃から出来るようにという学習です。

学問的誠実性

コピペが横行している世の中で、自らの発見、他者の発見を尊重して、ありがたく使っていくという、アカデミックな倫理観を育てます。

評価

評価の目安を提示するなどして、指導と評価を一体にすることで、ステップを踏んで目的に到達できるようにしていきます。

社会貢献

大人になってから、より良い世界より平和な世界の為に貢献するのではなく、今、出来ることを、子どもの頃からやっていく習慣を身につけます。





6.プログラムの種類

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グローバル化に対応できるスキルを身に付けた人材を育成するため、大学進学を前提とした生徒だけでなく、高校卒業後に働くことを選んだ生徒も含めて、成長段階や進路に合わせて子ども達をサポートする仕組みになっています。

どんな状況であっても、常に自分自身で未来を選択できる強い人間になってほしいという願いから、 社会に出る直前まで、子ども達に「一生学び続ける力」を磨いてもらう。という教育プログラムになっています。

IB では、異文化に対する理解と国際的な視野の形成を促すため、2言語以上の言語を習得をさせることを基盤としています。 しかし、母語の発達こそが学習者の認知的な発達を促し、他言語の習得にも役立つことから母語教育を最も重視しています。
そのため、以下に解説するPYPとMYPのプログラムでは全教科の母語指導を認めていますが、多くの学校は英語での指導となっています。 DPでは一部の科目を日本語で実施しています。



PYP(Primary Years Programme)
プライマリー・イヤーズ・プログラム

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対象年齢 3-12歳(年長〜小6)
学習で使用する言語 日本国内の多くの学校では英語でPYPを学習。英語以外にも日本語やその他言語(フランス語、ドイツ語など)でPYPを学習する学校もある。また、英語と日本語の両方を使用して教育が行われる学校もある。

どの言語でも提供可能となっているプログラムで、全世界には約1,700のPYPスクールがあり、日本においても年々認定校が増えています。 IBは、PYPを「概念的な理解を深める、探究的な、生徒中心の、学際的なカリキュラム」と定義しています。
探求する人になるための基礎教育にあたり、その為に必要な知力、体力、精神力のバランスが取れた人間になることを目指します。 精神と身体の両方を発達させることを重視したプログラムとなっており、決められたルールが少なく柔軟性が高いものとなっています。


PYPのプログラムモデル

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PYPのプログラムモデルは、多層的な構造を持ち、各層が相互に関連しながら学習者の全人的な発達をサポートしています。
外側の層は、内側の層の礎になっており、中心にある「IBの学習者像」に向かって学びを深めていくことが、IBの使命を実現することになります。

外側の層から順に解説します。

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国際的な視野
International Mindedness
プログラム全体を支える一番外の円です。
IBは世界を「最大の学びの文脈」として捉え、学習に意味づけをし、関連性を持たせることで、世界と向き合うことを大事にしています。生徒と教師は、環境や開発、紛争、権利、協力、統治などの課題を取り上げ、世界の多様な文化、異なる価値観、経験、表現方法を批判的(クリティカル)に考察し理解しようとします。
その過程でグローバルな関わりをもつために必要な意識やものの見方、能力を育てると同時に、信念のある行動とお互いの理解に結びつくような個人の価値観を育てます。
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教科の枠を超えたテーマ
Transdisciplinary Learning
PYPでは基本的に教科ごとで授業を行うことはありません。
以下の6テーマをもとに「学習ユニット」が組まれ、教科を超えた学びを進めていきます。
1.私たちは誰なのか
2.私たちはどのような時代と場所にいるのか。
3.私たちはどのように自分を表現するのか。
4.世界はどのような仕組みになっているのか。
5.私たちは自分たちをどう組織化しているのか。
6.この地球を共有するということ。
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教科
Subjects
「教科の枠を超えたテーマ」を探求していくのに必要な知識領域として、下記の教科からふさわしいものを選びます。
1.言語
2.社会
3.算数
4.芸術
5.理科
6.体育(身体・人格・社会性の発達)

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「タイトル」は、「教科の枠をこえたテーマ」と「教科」に関連して決まります。 「サブテーマ」は、生徒が自ら探究を進めることができるようにしていくため、学級担任と他の教師たちで相談し、いくつか設定していきます。

子どもたちは、ユニット内の「サブテーマ」の探求を「教科」をもとに進めていきます。こうした教科融合型の授業は、自分に関わりのある事柄に気付き、それらを関連づけ統合していく力を育てます。
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エージェンシー
Agency
行動
Action
エキシビション
Exhibition
学びを実際の行動に結びつけ、実社会に貢献する姿勢を育みます。

「エージェンシー」
学習において自ら声を発し、選択を行い、主体性を発揮するものです。児童がエージェンシーをもつとき、教師と児童はパートナーの関係になります。自己効力感が強い児童は、エージェンシーに対するより強い意識を学習コミュニティーにもたらします。学習コミュニティーは、児童のエージェンシーをサポートするとともに、自己効力感を育みます。
「行動」
学んだ内容を基にして、環境保護活動、ボランティア活動、社会問題への取り組みなどの社会的に有意義な行動を取り、学びが現実世界にどのように影響を与えるかを理解していきます。
「エキシビション」
学びを実際の問題やテーマに結びつけ、調査、コラボレーション、プレゼンテーションのスキルを発揮する場です。エキシビションを通じて、自己の学習の深さと広がりを示し、他者と学びを共有する経験を得ていきます。
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指導のアプローチ
Approach to Teaching
学習のアプローチ
Approach to Learning
「指導のアプローチ」
教育者がどのように学習を促進するかに関する方法や戦略です。 以下の特徴があります。
1.探究ベースの学習
学習者が自ら質問を立てて調査する探究を重視。
2.概念的な理解
知識の暗記ではなく、深い概念的理解を目指す。
3.協働的な学び
学習者同士の協働を促進。
4.差異を考慮
各学習者のニーズに応じた指導。
5.リアルな世界との関連
学びを現実の世界と結びつける。
「学習のアプローチ」
学習者がどのように学ぶかに関するスキルや戦略です。 以下の5つの主要なスキルセットがあります。
1.思考スキル
クリティカルシンキング、クリエイティブシンキング
2.コミュニケーションスキル
言語的・非言語的コミュニケーション
3.社会的スキル
コラボレーション、共感
4.自己管理スキル
時間管理、目標設定
5.リサーチスキル
情報収集、分析
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IBの学習者像
IB Learner Profile
前述。 全てのプログラムに共通するもの。
探究する人
知識のある人
考える人
コミュニケーションができる人
信念をもつ人
心を開く人
思いやりのある人
挑戦する人
バランスのとれた人
振り返りができる人
※詳細は「国際バカロレアの学習者像」参照ください。

PYPの目標

PYPにおいては、基本的な知識とスキルの習得、概念的理解の発達、ポジティブな姿勢の提示、責任をもった行動を取れることのすべてのバランスが保たれていることを目指します。
このバランスを達成するため、指導計画の下記の「5つの基本要素」が重要視されます。 PYPは,児童が下記の「5つの基本要素」を習得し、国際的な視野をもつ人を育成し、「IBの学習者像」へと接近していくメカニズムです。
1.知識
「言語、算数、理科、社会、体育、芸術」の6つの教科。児童の既有の経験と理解を発展させて探究する学習。
2.概念
教科の内容を関連させ活用できるもの。一貫性のある深い理解を得るために、児童が探究を重ねて獲得する説得力のある考え。
3.スキル
「思考スキル、社会的スキル。コミュニケーション・スキル、自己管理スキル、リサーチスキル」の5つ。教科の枠を越えて活用する能力。
4.姿勢
「感謝、根気、自信、強調、創造性、好奇心、共感、熱意、自主性、誠実、尊重、寛容」。学習や環境、価値観、信念、思いの表れ。
5.行動
学習の成果の表れとして、教室以外の場での責任あるふるまい。

「概念」は、深い理解を得るための基盤となる重要なものです。これらは異なる文脈でも適用できる普遍的な理解を促します。
PYPには、以下の8つのキーとなる概念(8つのキーコンセプト)があります。これらの概念は、生徒が深い理解を得るためのフレームワークを提供し、異なる学習状況において普遍的に適用されます。
1. 形
物事の形や構造の本質や特徴を理解します。
例:「これはどのような形?」「この物体の主要な特徴は何?」
2. 機能
物事の機能や、使用され方を探ります。
例:「これはどのように働くの?」「この機能は何のためにあるの?」
3. 原因
事象や現象の背後にある原因や理由を探求します。
例:「なぜこの現象が起こったの?」「どの要因がこの結果を引き起こしたの?」
4. 変化
物事がどのように変化し、発展するかの理解を深めます。
例:「この物事はどう変わったの?」「どのプロセスが変化を引き起こしたの?」
5. 連結
物事がどう他とつながっているか、相互関係を探ります。
例:「この事象は他とどう関連している?」「これらの要素はどう繋がっている?」
6. 視点
異なる見方や意見を理解し、尊重します。
例:「他の人はこの問題をどう見ているの?」「異なる視点から見るとどう見える?」
7. 責任
自己や他者に対する責任について考え、行動を促します。
例:「私たちはこの問題にどんな責任があるの?」「自分の行動は他者にどう影響を与える?」
8. 反映
自分の学びや経験を振り返り、理解を深めます。
例:「自分の学びをどう改善できる?」「この経験から何を学んだ?」






MYP(Middle Years Programme)
ミドル・イヤーズ・プログラム

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対象年齢 11-16歳(小6〜高1)※中学1年から高校1年を対象にしてるところが多い。学校によって異なる
学習で使用する言語 多くの学校は英語でMYPを学習。その他言語(フランス語、ドイツ語など)でMYPを学習する学校もある。また、英語と日本語の両方を使用して教育が行われる学校もある。


MYPのプログラムモデル

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MYPでは、国際的な視野を持ちながら、各教科にとりくみ、そこで培った知識や能力、見方、考え方を総動員してコミュニティプロジェクトなどの自分のプロジェクトを実施します。 これを通じて生徒は、より広く深いものごとの概念的理解、グローバルコンテクストを使ったものの見方、考え方、そしてより良い学びに必要な態度やスキルであるATLスキルを獲得していきます。 この結果、IBの学習者像に掲げられた10の特質を伸ばし、IBの使命を達成していくというものです。

DPと比べると教科の規定もゆるやかな為、それぞれの国のカリキュラム(日本でいえば学習指導要領)のもとで運用することが可能。日本でも、MYPを導入している一条校では、学習指導要領と組み合わせながら、柔軟にカリキュラムを組んでいます。 PYPと比べると一般的な教科に近い授業が組まれていたり、レポート(エッセイライティング)や宿題が増えてきます。
外側の層から順に解説します。

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国際的な視野
International Mindedness
各プログラム共通
※詳細はPYPの国際的な視野を参照ください。
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教科
Subjects
下記の教科からふさわしいものを選びます。
1.言語の習得
2.言語と文学
3.個人と社会
4.サイエンス
5.数学
6.芸術
7.保健体育
8.デザイン

MYPでは、一般的な学習教科だけでなく、学校行事やボランティア活動といった、いわゆる課外活動にも重点をおいています。その目的は、「生徒たちが共同体の一員としての役割や責任を自覚し、他者と共生していく力を養うため」です。
教科を学びながら、実社会とのつながりを理解し、分析し、省察して考える人間になることを目指す。青少年に、これまでの学習と社会のつながりを学ばせるプログラムとなっています。
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行動
Action
奉仕
Service
コミュニティプロジェクト
Community Project
パーソナルプロジェクト
Personal Project
学びを実際の行動に結びつけ、実社会に貢献する姿勢を育みます。

「行動」「奉仕」
自分の周囲にいる誰かや、社会、コミュニティのために、自ら判断し、自分のアイディアを実践していくことを意味します。誰かに言われて行う活動、考えもなくただ参加する、というものではなく、実社会における行動の主体となることが求められます。DPのCASにも繋がっていきます。
「コミュニティプロジェクト」
9年生で実施する、(生徒が選択した)コミュニティの、(生徒が調査・選択した)ニーズに対して、(生徒が選択した)方法で、そのコミュニティをサポートする、または直接的にサービスするプロジェクトです。
「パーソナルプロジェクト」
MYPを4年以上実施する場合に、MYPの集大成として最終学年で取り組む、個人による学際的な探求プロジェクトです。
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概念
Concepts
グローバルな文脈
Global Contexts
指導のアプローチ
Approach to Teaching
学習のアプローチ
Approach to Learning
「概念」
深い理解を得るための基盤となる重要なものです。これらは異なる文脈でも適用できる普遍的な理解を促します。
MYPで学ぶ生徒は、個々の知識や経験を獲得するとともに、それらを関連づけ「概念」を獲得してそれを使用することで学びを深めていきます。 MYPでは、実社会において特に深い理解を持っておくといい「重要概念(Key Concepts)」を16設定しています。どれも多面的で深い理解を必要とします。
1.美しさ
2.変化
3.コミュニケーション
4.コミュニティ
5.つながり
6.創造性
7.文化
8.発展
9.形式
10.グローバルな相互作用
11.アイデンティティ
12.論理
13.ものの見方
14.関係性
15.時間・場所・空間
16.システム
「グローバルな文脈」
学校の学びと実社会、実世界を接続する手立てとして設定しています。 これは、PYPで探究する6つのテーマを発展させたものです。
1. アイデンティティーと関係性
PYPの「私たちは誰なのか」を発展させてたもの。
2. 空間的時間的位置づけ
PYPの「私たちはどのような場所と時代にいるのか」を発展させてたもの。
3. 個人的表現と文化的表現
PYPの「私たちはどのように自分を表現するのか」を発展させてたもの。
4. 科学技術の革新
PYPの「世界はどのような仕組みになっているのか」を発展させてたもの。
5. グローバル化と持続可能性
PYPの「私たちは自分たちをどう組織しているのか」を発展させてたもの。
6. 公平性と発展
PYPの「この地球を共有するということ」を発展させてたもの。
「指導のアプローチ」
下記の特徴があります。
1. 探究を基盤とした指導
一方的な情報提供ではなく、生徒が自分で探求し、学びを深める機会を出来るだけ作ること
2. 概念理解に重点を置いた指導
断片的な知識だけでなく、概念や文脈と関連づけること
3. 地域的な文脈とグローバルな文脈において展開される指導
4. 効果的なチームワークと協働を重視する指導
個人の活動だけでなく、グループでの協働を取り入れること
5. すべての学習者のニーズを満たすために差別化した指導
個々の生徒の特質を考慮し、多様なな対応を考えていくこと。
6. 評価(形成的評価および総括的評価)を取り入れた指導
次の学習の指標となる評価を出すこと
「学習のアプローチ」
PYP5つのスキルセットの、
1.思考スキル
2.コミュニケーションスキル
3.社会的スキル
4.自己管理スキル
5.リサーチスキル
をさらに下記10のクラスターに分けています。
1. コミュニケーション
・交流を通じたコミュニケーション
・言語(読む・書く・話す)を用いたコミュニケーション
2. 協同
・他者と効果的
・建設的に協同学習を行う
3. 整理
・時間と課題の管理
4. 感情
・心(感情)の管理
5. 振り返り
・学習方法
・学習内容の振り返り
6. 情報リテラシー
・情報の選択・使用,文献の正しい引用法
7. メディアリテラシー
・多様なメディアを用いた学習,メディアの選択・使用
8. 批判的思考
・多様な情報・考えの分析・評価
9. 創造的思考
・新しい考えの生産,新しい視点の検討
10. 応用
・技能や知識を複数の文脈(context)で使用

MYPでは、この10のATLスキルクラスターの下に、140を超える学習に関連するスキルと態度を定義しています。
例えば、「コミュニケーション」スキルの場合、その下には、話し合い、プレゼンテーション、ノートの取り方、レポートの書き方、論理的な情報整理、非言語コミュニケーション、など、様々な場面や形のコミュニケーションに必要なスキルが定義されている。
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IBの学習者像
IB Learner Profile
各プログラム共通
※詳細はPYPのIBの学習者像を参照ください。


評価システム

MYPの評価は、国際バカロレアのルールでは、
提出物 約60%
試験  約40%
の評価をするように決められています。

試験は、論文試験がほとんどです。 知識の量だけを測る筆記テストは、ほとんど行われません。ただし、中学生が持っておくべき知識を得たい場合には、 自分自身で勉強し、語学検定、数学検定、漢字検定といった各種の検定試験を受験することを、学校側で勧めています。
PYPと大きく異なる点は、 国際バカロレア機構による「外部評価」があることです。 MYPでは、国際バカロレア機構が指定した外部評価委員による2次評価も加わリます。

〈内部評価〉
基本的に各教科の担当教員に任される。
ただし、評価基準については、シラバスに明記しなければならない。
〈外部評価〉
国際バカロレア機構が指定する外部評価委員が行う。 外部評価委員の数は、世界で5000〜6000人。
その多くは、国際バカロレア認定校で長く教えてた教員や、国際バカロレア機構の研究員です。 外部評価委員になることは、国際バカロレアで教鞭をとる教員にとって、とても名誉なこと。

一年間で生徒が提出した課題レポートのいくつかを、国際バカロレア機構の本部に送る。 一つ一つを外部評価委員がチェックし、評価を行う。 その評価が学校に戻ってくる。
また、PYPと同様に相対評価は行わない。 ちなみに、外部評価は、教員の「評価する力をチェックすることにもつながります。



DP(Diploma Programme)
ディプロマ・プログラム

【国内に200校以上!】学んだことが社会で活かせる。世界標準の教育プログラム!国際バカロレアとは。
対象年齢 16-19歳(高2〜高3)※2年間
学習で使用する言語 英語でDPを学習。科目の一部を日本語でも学習可能とする「日本語DP」を実施している学校もある。


DPのプログラムモデル

【国内に200校以上!】学んだことが社会で活かせる。世界標準の教育プログラム!国際バカロレアとは。
大学受験やその先の人生を見据え、強みや個性を明確にして、自らが進む道を見極められる人間になることを目指します。
所定のカリキュラムを2年間履修し、最終試験を経て所定の成績を収めると、国際的に認められる大学入学資格(国際バカロレア資格)が取得可能となります。
原則として、英語、フランス語又はスペイン語での実施となりますが、近年は導入国の事情に合わせて、プログラムをカスタマイズする動きが始まっています。

MYPよりも教科の枠組みが既存の日本の高等教育の枠組みに近くなっていますが、文系・理系の別はなく、国際バカロレアを通じて真の探求心を養った生徒たちは本当に学びたい分野を自ら選択し、専門性を高めていきます。

・2年間で6科目を履修
・6科目のうち3〜4科目をHL(ハイレベル)各240時間
 ※日本の高等学校で約7単位分
・その他をSL(スタンダードレベル)各150時間
 ※日本の高等学校で約4単位分
・3つのコア科目が必須
外側の層から順に解説します。

【国内に200校以上!】学んだことが社会で活かせる。世界標準の教育プログラム!国際バカロレアとは。
国際的な視野
International Mindedness
各プログラム共通
※詳細はPYPの国際的な視野を参照ください。
【国内に200校以上!】学んだことが社会で活かせる。世界標準の教育プログラム!国際バカロレアとは。
教科
Subjects
次の「6つの教科グループ」が設定されています。
1.言語と文学(母国語)
2.言語習得(外国語)
3.個人と社会
4.実験科学
5.数学とコンピュータ科学
6.芸術または選択科目

生徒たちは、この1〜6の教科グループから一科目ずつ選択します。
各科目には、
・スタンダード(標準)
・ハイヤー(高度)
のレベルがあり、どちらかのレベルを選択します。 ただし、全体で3教科をスタンダード、3教科をハイヤーになるように選択しなければなりません。

日本の高校では、 理系か文系の選択がありますが、DPにはそのような概念はありません。
様々な分野を横断する「学祭的な」学び方をしていきます。

【国内に200校以上!】学んだことが社会で活かせる。世界標準の教育プログラム!国際バカロレアとは。
知の理論(TOK)
Theory of Knowledge
課題論文(EE)
Extended Essay
創造性・活動・奉仕(CAS)
Creativity・Activity・Service
プログラムのコア(中核となる部分)です。

教科間のつながりや、学校とそれを取り巻くコミュニティとのつながりに発展する3つの中心的要素:知の理論(TOK)、課題論文(EE)、創造性・活動・奉仕(CAS)が取り囲んでいます。 上記教科以外に受けることが義務づけられている、三つのカリキュラム。
①知の理論(TOK)
「知識の本質」について考え、「知識に関する主張」を分析し、知識の構築に関する問いを探索する。批判的思考を培い生徒が自分なりのものの見方や、他人との違いを自覚できるように促す。 →IBの目玉。いい教育。哲学っぽいが、イメージは白熱教室。ディスカッションしたり、レポートを書いたりしながら、いろいろな考え方を学んでいく授業。 最終的にはプレゼンテーションと論文による試験が行われる。
②課題論文(EE)
→卒業論文みたいなもの 生徒が関心のある研究分野について、個人研究に取り組み研究成果を4000語(日本語の場合は、8000字)の論文にまとめる。 →これが結構大変。本を読んでまとめるだけでなく、フィールドワークしたり、インタビューしたり、統計をとったりが必要。これが、DPが忙しいと言われる所以。
③創造性・活動・奉仕(CAS)
創造的思考を伴う芸術などの活動、身体的活動、無報酬での自発的な交流活動といった体験的な学習に取り組む。 協調性や思いやり、実践することの大切さを学ぶ。 これらのカリキュラムはすべて、授業以上に自主性が求められる。 教師や学校から何かのプログラムを提供されるわけでなく、どんな活動をするのか、そのためのリサーチなどは、すべて自分自身で考え行動しなければならない。 日本では、この3つのカリキュラムは、日本語で行うことができる。
【国内に200校以上!】学んだことが社会で活かせる。世界標準の教育プログラム!国際バカロレアとは。
指導のアプローチ
Approach to Teaching
学習のアプローチ
Approach to Learning
指導のアプローチ
DPにおける「指導のアプローチ」は、学生の全人的な成長を促進することを目指しています。以下にその主な要素を紹介します。
1. 探究学習
探究学習は、生徒が自分で質問を考え、調査し、結論を導き出すプロセスを重視します。教師はガイドとしての役割を果たし、生徒が自ら学ぶ意欲を高めるサポートをします。
2. 概念重視のカリキュラム
学習は個別の事実やスキルだけでなく、広範な概念を理解することに重点を置いています。これにより、生徒は深い理解を持ち、学んだことを異なる状況に応用する能力を身につけます。
3. コンテキストベースの学習
学習内容を実社会の問題や状況に結びつけて指導します。これにより、生徒は学んだ知識を現実の世界でどのように活用できるかを理解します。
4. 批判的思考と創造的思考の育成
生徒が批判的に情報を評価し、創造的に問題を解決する能力を育てることを目指します。これにより、複雑な問題に対して多角的な視点からアプローチすることができるようになります。
5. 国際的な視野
生徒が異文化理解や国際的な視野を持つことを奨励します。これにより、多様性を尊重し、グローバルな課題に対する理解を深めます。
6. 個別化された指導
生徒一人ひとりの学習スタイルやニーズに合わせた指導を行います。これにより、すべての生徒が自分のペースで最大限に学べるようになります。
7. 反省的な学習
生徒が自分の学びや経験を振り返り、自己理解を深めるプロセスを重視します。これにより、生徒は自らの強みや改善点を理解し、自己改善の意識を高めます。
8. 協働学習
グループワークやプロジェクトを通じて、他者と協力し合いながら学ぶ機会を提供します。これにより、コミュニケーション能力やチームワークの重要性を学びます。
学習のアプローチ
生徒が知識とスキルを効果的に習得し、全人的な成長を遂げるための方法論を指します。以下にその主要な要素を説明します。
1. 思考スキル
批判的思考: 情報を分析し、評価する能力。
創造的思考: 新しいアイデアを生み出し、問題を解決する能力。
反省的思考: 自分の学習や行動を振り返り、改善する能力。
2. コミュニケーションスキル
言語的コミュニケーション: 書く、話す、聞く、読むスキル。
非言語的コミュニケーション: ボディランゲージや視覚的手段を用いたコミュニケーション。
3. 社会的スキル
協働: 他者と協力して働く能力。
リーダーシップ: グループを導き、チームの目標達成を助ける能力。
共感: 他者の感情や視点を理解し、共感する能力。
4. 自己管理スキル
時間管理: 効率的に時間を使い、タスクを完了する能力。
目標設定: 明確な目標を設定し、それに向かって努力する能力。
ストレス管理: ストレスを認識し、それを効果的に対処する能力。
5. リサーチスキル
情報収集: 必要な情報を効果的に検索し、収集する能力。
情報評価: 得た情報の信頼性や有用性を評価する能力。
データ分析: データを整理し、分析して結論を導く能力。
6. 概念的学習
深い理解: 表面的な知識ではなく、概念や原理を深く理解することに焦点を当てます。
知識の応用: 学んだ概念を新しい状況に応用する能力を養います。
7. 探究学習
質問の形成: 生徒が自分で質問を作成し、それに対する答えを探求するプロセス。
自主学習: 学生が主体的に学び、自分のペースで学習を進めることを奨励します。
8. 国際的視野
多様性の理解: 異なる文化や価値観を尊重し、理解する能力。
グローバルな視点: 地域や国を超えた視点から物事を見る能力。
【国内に200校以上!】学んだことが社会で活かせる。世界標準の教育プログラム!国際バカロレアとは。
IBの学習者像
IB Learner Profile
各プログラム共通
※詳細はPYPのIBの学習者像を参照ください。


世界統一試験

DPには「世界統一試験」があります。
日本では3年生の11月に最終試験を受けます(1月に結果発表)。

この試験は3週間続く大イベントで、
・DPの修了資格を取得できるかどうか
・どの大学に入れるかのスコアが決まる
という重要な試験です。

DPの世界統一試験では、きちんと筋道を立て根拠を示しつつ、必要に応じ実例なども挙げながら、説得力を持って自分の考えを展開することが求められます。 その為、教科書に載っていたことを暗記するだけでは、とても太刀打ちできません。
分野に関連する幅広い知識を持つだけでなく、そこから自分なりの答えを導き出す力、さらには、それをきちんと相手に説明する力が問われます。
DP生は日頃の学習を通して、こうした難問を解けるだけの能力を磨いていきます。

この試験の評価は、
・内部評価
・外部評価
の2つの組み合わせで評価されます。
その割合は教科によって異なります。

評価は、1教科につき1から7までの7段階評価です。
教科は全部で6教科ありますので、
6教科 × 7点 = 42点満点。

これに、
・知の理論(TOK)
・課題論文(EE)
の計3点が加わりますので、
42点 + 3点 = 45点

全部で最高45点となります。
※課外活動(CAS)の取組は評価されますが得点化はされません。しかしながら、卒業資格取得のためには必ずやる必要があります。

なお、DPの修了資格を取得するには、最低24点が必要です。
また、世界共通のテストなので、追試などの救済措置はありません(実力のみ)。
学校の全員が合格を取れるわけではなく、学校によって8割、いいところで9割が合格となっています。
DPの修了資格を取得した生徒は、世界の大学から高く評価されています。


日本語DP

文部科学省と国際バカロレア機構が協力して開発した、DPの一部の科目を日本語でも実施可能としたプログラムで日本におけるIB資格です。 DPの授業や試験は、原則として、英語、フランス語又はスペイン語で行う必要がありますが、日本語DPでは、6科目中4科目までは日本語で履修することができます。

日本語DPの意義

・そもそも教育や文化というのは、自国の文脈のなかで、まずは理解すべきだから。

・母国語である日本語の方が、より深いところまで考え探求することができる。

・「日本語でもグローバル教育はできる」という新たな視点。


日本語DPは大学の国際化につながる。
・国内の高校で日本語DPが増える

・DP修了生を受け入れる大学が増える

・海外のDP修了生が日本にやってくる。


進路

<国内の大学に進む場合>
かつての日本の大学は、帰国子女や外国人留学生を想定して、学部を限定した形で国際バカロレアの入学枠を設けているところがほとんどでした。

しかし、文部科学省のIB教育の普及促進の取り組みで、200校以上の国際バカロレア認定校設置が起爆剤となり、DP修了生受け入れを表明する大学、国際バカロレアを入試に活用する大学が続々と増えてきています。 中でも注目すべきは、これまでのような帰国子女や留学生だけでなく、一般の日本人学生を対象とした入試が増えてきたことです。

ただ、DP最終試験の結果発表は1月なので、大学入試に間に合いません。そのため最終試験の結果について先生が「この子はこのくらいとれますよ」という見込みの文章を書いてもらって出願することになります。


<海外の大学に進む場合>
海外大学に進む場合は、卒業後に出願する形となります。 IBの点数は全世界共通です。例えばIBで40点なら「これくらいの力があると」全世界で共有されています。 つまり、IBで一定の点数を持っていれば、学校毎に試験を受けなくても入学できるので海外進学ではとても有利となります。 海外の一流大学では、40点以上が求められますが、実際には、その点数はなかなか出せてないのが現状です。



IBCP(Career-related Programme)

【国内に200校以上!】学んだことが社会で活かせる。世界標準の教育プログラム!国際バカロレアとは。
対象年齢 16-19歳
学習で使用する言語 英語でDPを学習。科目の一部を日本語でも学習可能とする「日本語DP」を実施している学校もある。


IBCPのプログラムモデル

【国内に200校以上!】学んだことが社会で活かせる。世界標準の教育プログラム!国際バカロレアとは。
2011年にIBCC(国際バカロレアキャリア資格)として、試験導入され、2012年に正式実施。2014年にIBCPに名称変更。 大学進学でなく、高校卒業後すぐに就職する、もしくは専門学校に行くことを目指す生徒の為のコース。
生涯のキャリア形成に役立つスキルの習得を重視したキャリア教育・職業教育に関連したプログラム。 コアとなるのは、クリティカルシンキング、異文化への理解力、コミュニケーションスキル、内省する力などです。

以下の力を身につけ、社会に出る準備をします。
・多様な人間関係の中で、他者を理解し、尊重しながら、物事を俯瞰的に見ることができる
・コミュニティのニーズに応えるべく考え、行動することができる。
・自分の行動が正しかったのかを振り返ることができる。


外側の層から順に解説します。

【国内に200校以上!】学んだことが社会で活かせる。世界標準の教育プログラム!国際バカロレアとは。
国際的な視野
International Mindedness
各プログラム共通
※詳細はPYPの国際的な視野を参照ください。
【国内に200校以上!】学んだことが社会で活かせる。世界標準の教育プログラム!国際バカロレアとは。
キャリア関連学習
Career-Related Studies
DPのコース
Diploma Programme Courses
キャリア関連学習
各学校が行うキャリア関連教育を支援・補完するために開発されたプログラムです。キャリア教育・職業教育は、各学校が提供します。
DPのコース
CPでは、少なくともDPの科目(グループ1~グループ6)のうち、少なくとも2つ以上を履修します(上級レベル、標準レベルの選択・組合せは自由)。なお、日本語DP対象科目を選択することも可能です。
【国内に200校以上!】学んだことが社会で活かせる。世界標準の教育プログラム!国際バカロレアとは。
サービスラーニング
Service Learning
言語能力の発展
Language Development
パーソナルスキルと職業的スキル
Personal and professional skills
振り返りプロジェクト
Reflective project
プログラムのコア(中核となる部分)です。

上記教科以外に受けることが義務づけられている、三つのカリキュラム。
サービスラーニング
コミュニティのニーズに沿った奉仕活動に取り組む。約50時間の学習。
言語能力の発展
最低50時間以上の外国語の学習。
パーソナルスキルと職業的スキル
個々の状況に対処できるよう将来にわたって必要となる態度・スキル・計画性を育成。
振り返りプロジェクト
キャリア教育に関連した特定の課題について、倫理的な観点から検討を加える。教室内外で約40時間の個人研究に取り組み、調査やコミュニケーションスキルを育成。
【国内に200校以上!】学んだことが社会で活かせる。世界標準の教育プログラム!国際バカロレアとは。
指導のアプローチ
Approach to Teaching
学習のアプローチ
Approach to Learning
指導のアプローチ
学生がキャリアに直結したスキルと学術的な知識をバランスよく習得することを目指しています。以下のアプローチを取っています。
1. 実践的学習
キャリア関連コース: 職業訓練や専門的スキルを学ぶコースが含まれており、実際の職場での経験やインターンシップが奨励されます。
リアルワールドアプリケーション: 学んだ理論を実際のビジネスや産業に適用することが重視されます。
2. 個別化された学習
個別指導: 学生一人ひとりのキャリア目標や学習スタイルに合わせた指導が行われます。
柔軟なカリキュラム: 学生が自分の興味やキャリア志向に応じてコースを選択できるよう、カリキュラムに柔軟性があります。
3. コラボレーション
グループプロジェクト: 学生がチームでプロジェクトを進めることで、協働スキルを養います。
コミュニティの連携: 地元のビジネスや産業界との連携を通じて、実践的な経験を積む機会が提供されます。
4. 探究学習
問題解決型学習: 学生が実際の課題に取り組み、解決策を見つけるプロセスを通じて学びます。
自主学習: 学生が自ら学ぶ意欲を持ち、探究心を育てることを奨励します。
5. 反省的学習
自己評価: 学生が自分の学習や成長を振り返り、次のステップに向けた計画を立てる能力を養います。
フィードバックの活用: 教師やメンターからのフィードバックを受け入れ、それを基に自己改善を図ります。
6. 国際的視野
多文化理解: 異なる文化や視点を尊重し、グローバルな視野で物事を考える能力を育てます。
国際的なネットワーク: 海外の学生や専門家と交流する機会が提供されます。
7. キャリア指導
職業適性評価: 学生が自身の興味や適性を理解し、最適なキャリアパスを見つけるためのサポートが提供されます。
メンターシップ: 専門分野のメンターによる指導やアドバイスが受けられます。
学習のアプローチ
キャリアに直結したスキルと学術的な知識を統合することを重視しています。以下は、学習のアプローチの主な要素です。
1. 学際的学習
統合的カリキュラム: 学生は複数の学問分野を統合して学び、異なる視点から問題を解決する能力を養います。
関連性のある学習: 学んだ内容が実際のキャリアや生活にどのように適用できるかを強調します。
2. 反省的学習
自己評価とフィードバック: 学生は自己評価を行い、教師やメンターからのフィードバックを受け入れ、それを基に学びの改善を図ります。
ポートフォリオの作成: 学生は自身の学習の進捗や成果を記録し、振り返りを行います。
3. キャリア探究
実践的な経験: 学生はインターンシップや実地調査を通じて、実際の職場環境を体験します。
キャリアリサーチプロジェクト: 学生は特定の職業や産業について深く調査し、報告書やプレゼンテーションを作成します。
4. コラボレーション
グループワーク: 学生はチームでプロジェクトを進めることで、協働スキルを養います。
コミュニティの連携: 学校外のコミュニティや業界パートナーとの協力を通じて学習を深めます。
5. 探究学習
問題解決型学習: 実際の問題や課題に対して、自ら質問を立て、調査し、解決策を見つけるプロセスを重視します。
自主学習: 学生が主体的に学び、自分のペースで探究を進めることを奨励します。
6. リサーチスキル
情報収集と評価: 学生は信頼性のある情報を収集し、その情報を評価する能力を養います。
データ分析: 集めたデータを整理し、分析して結論を導くスキルを身につけます。
7. 国際的視野
多文化理解: 異なる文化や視点を尊重し、グローバルな視野で物事を考える能力を育てます。
国際的なネットワーク: 海外の学生や専門家と交流する機会が提供されます。
8. 個別化された学習
個別のキャリア目標: 学生一人ひとりのキャリア目標や学習スタイルに合わせた指導が行われます。
柔軟なカリキュラム: 学生が自分の興味やキャリア志向に応じてコースを選択できるよう、カリキュラムに柔軟性があります。
【国内に200校以上!】学んだことが社会で活かせる。世界標準の教育プログラム!国際バカロレアとは。
IBの学習者像
IB Learner Profile
各プログラム共通
※詳細はPYPのIBの学習者像を参照ください。




7.日本のIB認定校の歴史

1979年(昭和54年)

大学入学資格に関し、学校教育法に基づき、国際バカロレア資格を有する者で18歳に達した者を、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者として指定。 日本で、DPを取得した生徒は、日本の高校の卒業資格と同じ扱いになった。

聖心インターナショナルスクールが、国内初の国際バカロレア認定校となる
※しかし、すぐに国際バカロレア認定校から外れました。

セント・メリーズ・インターナショナルスクールが、実質的な初国際バカロレア認定校となる
認定年月:1979年9月
プログラム:DP



2000年(平成12年)

加藤学園暁秀高等学校・中学校が、一条校で初の国際バカロレア認定校となる。
認定年月:2000年1月
プログラム:MYP、DP


一条校ついては、「【日本の学校体系】学校の分類を教育段階や学校教育法、設置者などで再確認!一条校や専修学校、その他学校、無認可校の概要も徹底解説」で詳しく解説しています。




2009年(平成21年)

玉川学園中学部・高等部が、一条校で2番目の国際バカロレア認定校となる
認定年月:2009年3月
プログラム:MYP、DP


2010年(平成22年)

東京学芸大学附属国際中等教育学校が、国立で初のIB認定校となる
認定年月:2010年2月
プログラム:MYP


2013年(平成25年)

文部科学省は、国際バカロレア機構との協力の下、ディプロマプログラムの科目の一部※を日本語でも実施可能とする「日本語DP」の開発・導入を推進。

5月
東京学芸大学を中心に、関心を有する高等学校等により、国際バカロレアの導入に向けた情報共有等のため「国際バカロレア・デュアルランゲージ・ディプロマ連絡協議会」が設立。 この連絡協議会では、日本語DPのモデルプログラムの開発、グローバル化に対応した教員養成のあり方などについて検討情報共有を行い、認定校の拡大に寄与することを目的としている。

6月
「日本再興戦略」で、2018年までに200校の高校にDPを導入する計画を決定。


2014年(平成26年)

2月
日本の認定校は27校(PYP 14、MYP7、DP19)
他のアジア太平洋地区の認定校は、
・オーストラリア 152校
・インド 107校
・中国 76校
・香港 48校
・インドネシア 40校

4月
文部科学省にて、入学者選抜における国際バカロレア資格及びそのスコアの積極的な活用について、大学に対する働き掛けを実施。
国際バカロレアに対応可能な教員の養成・確保の為に下記を実施。
- 日本語によるIB教員養成ワークショップ等の国内における積極的な開催
- 外国人指導者等に対する特別免許状の授与促進

6月
外国人指導者をはじめとする優れた知識経験等を有する社会人に対する特別免許状の円滑な授与を促進する観点から、文部科学省において「特別免許状の授与に係る教育職員検定等に関する指針」を策定し、各都道府県委員会に通知。
国際バカロレアの導入を促進するための教育課程の特例措置として、大学におけるIB教員養成課程を設置。


2015年(平成27年)

東京都立国際高等学校が、公立で初のIB認定校となる
認定年月:2015年5月
プログラム:DP

8月
学校教育法施行規則の一部が改正され、DP認定校については、国際バカロレアと学習指導要領の双方を無理なく履修できるよう、以下のように教育課程の基準の特例が認められることとなる。
国際バカロレアの導入を促進するための教育課程の特例措置
- IBに関する情報提供・発信
- 国際バカロレア認定のための手引きの作成
- 教育委員会や学校が、国際バカロレアの導入を考えるにあたり、必要とされる情報を日本語で分かりやすくまとめた資料を作成


2018年(平成30年)

聖ヨゼフ学園小学校が、一条校の小学校で初のIB認定校となる
認定年月:2018年1月
プログラム:PYP

2018年時点の国内導入状況は59校。 DPの普及は進んでいるが、PYPは学習指導要領との整合性もあり上手くいってない。


2023年(令和5年)

3月
国際バカロレア認定校等数が207校となる。




8.日本の学校教育との主な違い

【国内に200校以上!】学んだことが社会で活かせる。世界標準の教育プログラム!国際バカロレアとは。

要件が違う

日本の学校教育

高校卒業の要件
・3年以上の在籍
・必修科目の履修
・74単位以上の取得

日本の学校では、「討論」「ディスカッション」「レポートを書く」という活動は、課外活動にすることが多く、ダイレクトに成績に反映されることが少ないため、討論などに積極的には関わることはほとんどありません。

国際バカロレア

DP習得の要件
・6科目を選択
・必修科目の履修
・最終試験で45点中、24点以上の取得

国際バカロレアの場合、「討論」「ディスカッション」「レポートを書く」という活動は、教育のメインであり、 しっかり論述ができて、しっかり自分の言葉で意見が述べられることが必須となります。 それができないと卒業できません。
そういったことが好きなお子さんには楽しい教育ですが、そういったことが苦痛な生徒にとっては逃げ場のない教育になってしまいます。



海外の大学に入りやすい

IB卒業生を入学させたい海外の大学が多いです。
その理由は、
・DPの卒業生は、大学の卒業率が高い
・入学時、卒業時のGPA(成績評価)が高い
・各大学が重要視している様々なスキルを持っていると評価されている。

このようにIB卒業生に対しては評価が高いので、 DPを取得している生徒に対しては広く門戸を開けていて、奨学金を出してくれたり、高校の単位を大学の単位と認めてくれたりといった優遇措置があります。



教科の境界線を持たない

IB教育では、教科を融合して考えるので、便宜的に分けられていた教科の境界線が曖昧になって境界線を持たなくなります。




9.日本で国際バカロレアを学ぶ方法

【国内に200校以上!】学んだことが社会で活かせる。世界標準の教育プログラム!国際バカロレアとは。

国際バカロレアのプログラム導入校

国際バカロレアは、インターナショナルスクールだけでなく、一条校への導入も増えてきています。
一条校の場合、国際バカロレアのプログラムと同時に、学習指導要領も担保しながらカリキュラムが組まれて授業が行われます。 万が一、国際バカロレアを修了できなかった場合でも、通常の高校卒業の資格が付与されるため、セーフティーネットがあります。

国際バカロレアを導入している中高一貫校や中等教育学校などは、「中学校選び(前期中等教育の選択)」で全国の国際バカロレア導入校を検索することができます。
学校選択の応援プラットフォーム



学習をはじめるタイミング

PYPを導入している学校のほとんどはインターナショナルスクールで、一条校で実施している学校はほんのわずかしかありません。 日本では一条校に通ってないと、親が子どもの就学義務を果たしてないこととなってしまうので、学区の小学校に籍を置いて不登校のまま、インターナショナルスクールに通うのが一般的のようです。
ただ、これについては学区によって違ってきますので、学区の小学校に事前に相談した方がいいです。

MYPやDPについては、中高一貫校などの一条校でも導入が増えています。
中学校選びの一つの選択肢として検討してみるのもいいかと思います。


10.まとめ

国際バカロレアは、全人教育(知識だけにかたよった教育ではなく、性格教育、情操教育なども重視する教育)であり、
・暗記に頼らない教育
・世界に通用する人材を作る教育
という非常にタフな教育内容です。
授業が英語で進むので英語力は必須ですが「考えさせて討論する」という教育内容に魅力を感じて進まれる方は多いです。
また、海外進学を視野に入れていますので、海外の情報が集まりやすいというメリットもあります。

まだまだ偏差値至上主義の日本ではありますが、 数年前にはなかった新たな教育分野が身近なものになりつつあります。
子どもが幸せとやりがいを感じられる分野を一緒に考えて、その実現のためには、日本の教育課程がいいのか、IB教育がいいのかを、検討してみてはいかがでしょうか。

教育改革に関する記事はこちら

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【まとめ】わかる!STEAM教育(スティーム教育)。世界に広がる新しい学びの方法

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