- 子どもが主体の教育を家でしたい
- モンテッソーリ教育は家でできる?
- 家でできることはどんなこと?
お家でモンテッソーリ教育といっても、モンテッソーリ園でするようなことを家でするのはハードル高いです。
モンテッソーリ園で使うような教具を揃えるのも大変ですし、家庭に資格をもった大人がいるわけでもありません。
しかし、モンテッソーリ教育の考え方に沿った環境を用意することなら家でもできそうです。
そこで今回は、お家でモンテッソーリ的な環境をつくるにあたっての注意点や、家になくていいもの、逆にあるといいものについてまとめましたので紹介します。
1.モンテッソーリ園と同じにする必要はない
モンテッソーリ園と家では環境が全然違うので、家でしかできないことを考えましょう。
もちろん、モンテッソーリの教具をそろえてもいいのですが、子どもが自発的に教具を使うとは限りません。
使わないからといって親から勧めてしまうと、子ともが主体の教育ではなくなってしまいます。
家でできることについて考えるポイントは、子どもが能動的に日常生活に参加できる工夫をすることです。
そのために必要となってくるのが、子どもサイズのアイテムです。
子どもサイズのアイテムは、子どもを日常生活に参加しやすくさせてくれます。
日常生活に参加しやすくなるということは、子どもが自分で判断して行動する機会が増えることにつながります。
2.環境づくりと合わせて生活習慣も見直しましょう
モンテッソーリ教育だけに限りませんが、子どもの「自ら育つ力」を発揮させるためには、親の行動も重要になってきます
子どもの「自ら育っていく活動」を阻害するような生活習慣をしている場合は、その行動も見直していきましょう。
生活習慣を整えることを含めて、環境を作ってあげることが大切です。
例えば、以下の行動は意識しましょう。
子どもの見本となる振る舞いをする
子どもは周りのものを吸収します。
特に「敏感期」ともなると、なんでも吸収してしまいます。
一番身近にいる親が、見本となって振る舞うことが大切です。
例えば、挨拶をしないとか、お礼の言葉を言わないとか、大声で怒鳴るなど、親がそのような行動をしていると、子どももいつのまにか同じような振る舞いをしてしまいます。
子どもの行動を変える前に、親自身の行動が見本となっているか常に見直すことは大切です。
おもちゃなど気が散るものが出しっぱなしにしない
集中力が続くようにするには、気が散るものを近くに置かないことが大切です。
おもちゃだけでなく、親の物でも出しっぱなしにしていると、気が散ることもあります。
気が散る環境では、子どもは「自ら育つ力」を発揮できません。
テレビをつけっぱなしにしない
6歳くらいまでは、テレビを見せないことが理想ですが、なかなか難しいこともあると思います。
その場合は、テレビを見る時以外は電源を切りましょう。
テレビは、子どもの集中を阻害します。
何かに集中しているときに、テレビが流れると、そちらに注意がそがれて子どもは自分が今何をしていたのか忘れがちになります。
また、子どもは、テレビを集中して見ているわけではありません。
視覚や聴覚にたくさん刺激があるから釘付けになっているだけです。
テレビを見るというのは、受け身の状態です。
集中とは能動的で自発的なものです。
泣いたのをあやすのにスマホ動画やアプリを使わない
テレビと同様に、アプリや動画で子どもを泣き止ませることは、動画に釘付けにさせてごまかしているだけです。
しかも、子どもが自分で自分の感情をコントロールする機会を奪っていることになります。
スマホは便利ですが、上手に使いましょう。
食事中にテレビを見たり、スマホをいじったりしない。
食事中にテレビがついていると、子どもは気が散って食べることに集中できなくなってしまいます。
食事中は、テレビを切るというメリハリは必要です。
子どもの集中を邪魔しない
子どもが何かに夢中になっているときに、
「何しているの?」「上手だね!」と気軽に声をかけてしまうと、集中の邪魔することになってしまいます。
そっと見守るようにしましょう。
3.「モンテッソーリ教育」的な環境で必要ないもの
普段使っているものの中には、実は子どもの「自ら育つ力」を阻害するものがあります。
そういった「なくていいもの」は、処分するか、子どもの視界に入らないところにしまいましょう。
キャラクター入りの服
キャラクターが入っていると、子どもは喜びますが、着る、脱ぐ、という本来の目的とは関係ないです。
プラスチック製の食器
お皿やコップなどを、割れないプラスチック製にすると親は安心ですが、うっかり倒したり、落としたりして、割ってしまう経験ができなくなります。そういう経験を経て自発的に注意深くなっていくチャンスを奪ってしまいます。
バウンサー
親にとっては安心で楽になれるものかもしれませんが、赤ちゃんの自発的な運動を邪魔することになってしまいます。
おくるみ
必要に応じて外出時にしようするならともかく、家庭での使用は赤ちゃんの自発的な運動を邪魔をします。
歩行器
歩行器を使うと、実際の歩行と違う足の使い方をしてしまいます。また、歩く時期が遅れてしまいます。
おしゃぶり
おしゃぶりをしてたら泣くことを抑制してしまうことになってしまいます。泣くという自己表現ができなくなってしまいます。
ストローマグ
外出の時にはとても便利ですが、自宅で使用すると、コップの扱いを学ぶ機会を減らしてしまいます。
吸盤付きのお皿
こちらも親にとっては安心の食器ですが、うっかり落としたり、割ったりすることは、マイナスではありません。そういう経験を経て自発的に注意深くなる機会を減らしてしまいます。
ベビーベッド
自分で出入り出来ないため、受け身になってしまいます。
4.「モンテッソーリ教育」的な環境であるといいもの
自分のことを自分でできるように意識させてあげる
鏡で自分の姿を確認する習慣づけられます。自分の身だしなみを気にするようになれば、自分のことを自分でするようになっていきます。
手の届くところに置いて失敗を自分でリカバリーさせてあげる
テーブルの飲み物をこぼしたときに自分で取って拭けるようにしておきます。
床に飲み物をこぼしたとき自分でふけるように手の届くところに置いておきます。
子どもサイズを用意して日常生活に参加しやすさせてあげる
子どもが扱いやすい大きさ、重さ、持ちやすさ、のものを選びます。
また、おもちゃのようなものでなく、機能性のしっかりした子どもサイズの道具を用意します。
ただし、子ども用補助など余計な機能は不要です。
ガラス製のものにします。落とせば割れるを実体験できるようにするため。
子どもサイズのもの。子ども用補助など余計な機能は不要。
自分で髪をとかすため。自分のことを自分でできるようになるチャンスになります。
補助グッズを用意して日常生活に参加しやすくさせてあげる
補助機能を使用することで、大人と同じように日常生活に参加できるもの
自分で手を洗ったり、植物やペットにあげる水をくんだり、野菜を洗ったり、食器を洗ったりすることができます。
例えば、台所仕事のお手伝いができます。囲いがついて、落ちる心配がない。1歳前後から使えるます。
水が大好きな子どもの道具を用意してあげる
風呂掃除や洗車、花壇や植物への水やり、暑い日の打ち水、そんな水を使える場面にはぜひお子さんも誘いましょう。
植物に触れる為の道具を用意してあげる
霧吹きや、子どもサイズの小さなジョーロで、水のあげ方を自分で学ぶことができます。
種をまき、水をあげ、収穫し最後には食べる。家庭菜園で自分が食べる野菜や果物を育てることは最高の食育になります。
観葉植物にお水をあげるときに使います。植物を育てることを学ぶことができます。
5.まとめ
お家は、安らぎの場。
完璧を目指さず、気持ち安らかに取り組みましょう。
参考書籍・記事等
モンテッソーリ教育が教えてくれた「信じる」子育て
モンテッソーリ教育の考え方をとてもわかりやすく解説している本です。モンテッソーリ教育ではこう考えるという視点をしっかり解説した上で、各発達段階における子どもとの関わり方、声のかけ方など具体的に説明しているので、子育てにおけるブレない方針を持つことができます。
いちばんていねいな はじめてのおうちモンテッソーリ
家庭でモンテッソーリ教育をする方法について解説している本です。モンテッソーリ園でしかできないこと、家庭でしかできないことを詳しく説明しています。それを大前提として、子どもの心を大切にする関わり方することで、教具がなくても家庭でこれだけのことができると丁寧に教えてくれてます。