【まとめ】わかる!プログラミング教育必修化。その目的とは?必要とされる理由とは?

【まとめ】わかる!プログラミング教育必修化。その目的とは?必要とされる理由とは?
【まとめ】わかる!プログラミング教育必修化。その目的とは?必要とされる理由とは?
  • どうしてプログラミング必修化になったの?
  • プログラミングってそんなに重要なの?
  • おうちでやれることって何かある?
こういった疑問に答えます。
僕は仕事でプログラミングをしますが、小学生がプログラミングに興味をもつのだろうか?と疑問に思っていました。なぜならシステムやアプリ制作のコーディングを好む人もいれば、全くうけつけない人もいるからです。

ところが、調べていくうちにプログラミング必修化の目的が、そこではないことがわかってきました。そこでこの記事では、プログラミング教育の必修化に至った経緯とその目的、私たち親ができること、などについてわかりやすく解説します。

1.なぜプログラミング教育が必修化になったのか?

【まとめ】わかる!プログラミング教育必修化。その目的とは?必要とされる理由とは?

新しい学習指導要領では、小学校、中学校、高等学校の全ての段階で、プログラミング教育が必修化されてます。
なぜプログラミング教育が必修化になったのでしょう?

プログラミング教育ポータルサイト「未来の学びコンソーシアム」では下記のように記述されています。
日本では、2020年までに37万人ものIT人材が不足すると言われています。今後、国際社会において「IT力」をめぐる競争が激化することが予測され、子どもの頃から「IT力」を育成して裾野を広げておかなければ勝ち抜くことはできません。

また、文部科学省内に設置された「プログラミング教育に関する有識者会議」の資料では下記のようにまとめられています。
身近な生活の中でもコンピュータとプログラミングの働きの恩恵を受けており、これらの便利な機械が「魔法の箱」ではなく、プログラミングを通じて人間の意図した処理を行わせることは、時代の要請として受け止めていく必要がある。

プログラミング教育が必修化になったのは、今後さらに「IT力」をめぐる国際競争が激化していくなかで、国としては「IT力」を持つ人材の育成を子どもの頃から急いで始めないと他国に遅れをとってしまうからです。
そして「IT力」とは、コンピュータに対して、人間の意図した処理を行わせることができる論理的思考力のことです。

2.プログラミング教育必修化の経緯

【まとめ】わかる!プログラミング教育必修化。その目的とは?必要とされる理由とは?

「未来の学びコンソーシアム」は、文部科学省・総務省・経済産業省の連携で立ち上がりました。
その目的は下記の通り。
  • ・教育課程内・外の両面からプログラミング教育を推進
  • ・民間企業・団体による教材開発の促進
  • ・学校における指導の際のサポート体制構築を推進

未来の学びコンソーシアムは、教育課程内・外でのプログラミング教育の具体的な実施事例などを掲載するため、平成30年3月に「小学校を中心としたプログラミング教育ポータル」サイトを立ち上げました。

ここまでの流れについて経緯を解説します。

2013年(平成25年)6月

日本政府の発表「世界最先端IT国家創造宣言」ではじめて、小学校・中学校(初等・中等教育)でのプログラミング教育の実施について述べられました。


2014年(平成26年)6月

「世界最先端IT国家創造宣言」の変更が閣議決定された際に、初等・中等教育でのプログラミング教育の実施を明確に述べられました。

※この頃から、民間のプログラミング塾などが活発化してきました。
一方、小学校・中学校では、2008年(平成20年)改訂の学習指導要領が完全実施してから間もないこともあり、あまり大きな動きはありませんでした。

2016年(平成28年)4月

第26回産業競争力会議で、安倍総理がプログラミング教育の必修化を宣言し、大きく動き出しました。 この会議で提出された、文部科学省による資料で、初めて日本の教育におけるプログラミング教育が具体的に位置づけられました。
日本の若者には、第4次産業革命の時代を生き抜き、主導していってほしい。このため、初等中等教育からプログラミング教育を必修化します。

ちょうど、2017年改定(2020年実施)の次期学習指導要領の議論も最終局面を迎えていました。 文部科学省以外でのプログラミング教育活発化の動きが大きな流れとなり、次期学習指導要領に初等教育から高等教育までプログラミング教育実施の記述がされました。

これにより、政府が考える成長戦略「第4次産業革命」を牽引するための人材育成を行うという方向性が示されました。

2020年実施の学習指導要領については「第8回全面改定の学習指導要領が目指す姿。改定のポイントと考え方を解説」で解説しています。


3.プログラミング教育の目的

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未来の学びコンソーシアムでは、下記のように述べられています。
  • プログラミング的思考を育むこと
  • コンピュータ等を活用して身近な問題を解決したり、よりよい社会を築いたりしようとする態度を育むこと
  • 各教科での学びをより確実なものとすること

プログラミング教育においては、プログラミングの技能の習得自体がねらいではない。

プログラミング教育は、プログラミング技術を学ぶのではなく、プログラミング的思考を育むのが目的。プログラミングを学ぶからといって、エンジニアになるための教育ではありません。

  • × プログラマーを育てる教育ではない
  • 〇 プログラミング的思考力を身につけ、課題解決できる力を身につける教育


なぜ、「プログラミング的思考」が必要なのでしょう?

突然ですが、「Society5.0」という言葉をご存じでしょうか?
「Society5.0」とは政府が急いで進めている新しい社会のことです。
世界ではIoT、ビックデータ、人工知能(AI)、ロボット等をはじめとする技術革新が急速に進展しています。 世界的にも「第四次産業革命」と呼ばれています。

産業構造は幅広く変革していき、私たちの働き方やライフスタイルは変化することになります。政府は、この社会の大きな変革を捕まえて、仮想空間と現実空間を高度にシステム融合し、経済発展と社会的課題の解決を目指そうとしているわけです。

社会が変わり、職業やライフスタイルが変わると、下記のようなことが不安視されるようになってきます。
  • ・今学校で教えていることは、この先通用しなくなるのでは?
  • ・人工知能の急速な変化で私たちの職業の大半は奪われるのでは?

これからは、こういった予測できない変化を前向きに受け止め、生きていく力を身につけなくてはいけない時代になってきます。
そのためには、子ども達の情報活用能力を高めていかなくてはなりません。
政府が「GIGAスクール構想」の実現を目指しているのはそのためです。


GIGAスクール構想では、
  • ・ICTを活用した学習
  • ・プログラミング教育
  • ・情報モラル教育

を推進しています。

以上のように、プログラミング教育の目的は、子ども達の論理的思考力を育て情報活用能力を高めることにあります。
コンピューターはますます便利になり私たちの生活に入り込んできます。プログラミング的思考ができるようになれば、コンピュータを使いこなし人生の味方にすることができます。 プログラミング的思考を身につけることは、生きていく為に必要なスキルを身につけていくことなのです。

子どもたちは「Society5.0」の社会で生きていくための力を今から身に着けていく必要があるのです。


4.学習指導要領とプログラミング教育

プログラミング教育は、新しい学習指導要領(2017年改訂)で初めて登場したわけではありません。社会の情報化が進むのに合わせて、少しずつ登場してきました。

新しい学習指導要領で新しく育成すべき資質・能力の「3つの柱」が定義されています。 「3つの柱」は、下記のように明記されています。
  • 知識・技能の習得
  • 思考力、判断力、表現力等の育成
  • 学びに向かう力、人間性等の養成

新しい学習指導要領では、プログラミング教育もこの「3つの柱」に照らし合わせて整理されています。またプログラミング学習は、教育課程内だけでなく、教育課程外にまで広げて取り組む活動となっています。

プログラミング教育は、社会全体で取り組むべき重要な教育課題であるということが、新しい学習指導要領の改訂内容からも読み取ることができます。

学習指導要領とプログラミング教育については「【社会全体で取組む】学習指導要領にも記載。プログラミング教育が重要な教育課題である理由」で解説しています。


5.小学校のプログラミング教育

小学校では、授業にコンピュータを導入することで、授業内容の深い理解と、プログラミングを通じた論理的思考が学べるようになっています。

また、プログラミング教育の小学校の取り組については、「小学校を中心としたプログラミング教育ポータル」で下図A~Fのように6つの教育アプローチに分類されています。
  • A.学習指導要領に例示の単元で実施
  • B.例示はないが各教科等で実施するもの
  • C.教育課程内で各教科等とは別に実施するもの
  • D.教育課程内で特定の児童を対象として実施するもの
  • E.学校を会場とするが、教育課程外のもの
  • F.学校外でのプログラミングの学習機会

小学校でプログラミング教育は始まったけど、実はプログラミングという単元はどこにもありません。いったいどのようにプログラミングを教えているのか。それが上記の6つアプローチとなります。

小学校のプログラミング教育現場については「【徹底解説】小学校のプログラミング授業。6つの教育アプローチとはどういうものか?」で解説しています。


6.家庭でも取り組んだ方がいい理由

子どもにピアノや水泳を習わせるとき、将来ピアニストにとか水泳選手になって欲しいからという場合もあるでしょうが、大抵は「脳や体にいいから」とか「習っておくと役に立つから」という理由だと思います。

プログラミング教育もそのような感覚に近いです。プログラミングを習ったから、プログラマーとかエンジニアを目指すというものではありません。

 

少し違うのは「習っておくと役に立つから」というより、「身につけておくと生きやすくなる」という感覚に近いでしょうか。子どもがコンピュータを味方にし、未来の可能性を少しでも多く持たせてあげるなら、家庭で取り組むことは有効なことだと思います。


プログラミングは学校以外に、家庭でも学ぶことは可能です。プログラミング教材もパソコンを使わないものから電子工作まで、実に様々なものがあります。逆に多すぎてどれを選べばいいのかわからないという方もいらっしゃると思います。そこで、ここでは、家庭で取り組めるプログラミング教材選びについて、ポイントを解説していきます。


プログラミング初心者は、次の順番で選ぶといいです。

  • 1.対象年齢の教材を確認
  • 2.プログラミングの目的を確認
  • 3.教材ジャンルを確認
  • 4.教材を選ぶ

子どもにプログラミング教育をする場合、大人と違って年齢や性別、興味の度合いによって、夢中になれるかなれないか変わってきます。プログラミングの教材は、デジタルデバイスを使わないものから、スマホ、タブレットやロボット組み立て、センサー回路までジャンルが幅広いです。その中から、子どもが興味を持って続けられそうな教材を選ぶのは難しいです。その照準を合っていないと、子どもの関心はすぐどこかへ行ってしまいます。



プログラミングの教材の選び方については「【初心者向け】エンジニアが選ぶプログラミング教育おすすめ教材9選【子供が夢中になるツール】」で解説しています。

プログラミングの教室の選び方については「【子供向け】プログラミング教室ロボット教室。おすすめ9選【向き不向きも解説】」で解説しています。


6.まとめ

【まとめ】わかる!プログラミング教育必修化。その目的とは?必要とされる理由とは?
プログラミング教育について解説しました。
プログラミングのことを理解しておくと将来に役に立つ資質や能力となり、これからの日本を牽引する人材を育てるためにも、プログラミング必修化は必要だったということでした。
そして、プログラミング教育というのは、プログラミング技術の習得が目的ではなくて、プログラミング的思考を育むのが目的ということでした。

新しい学習指導要領でもプログラミング教育が盛り込まれているが、プログラミングの学習活動は、教育課程外にまで広げて取り組む活動となりました。
プログラミング必修化の背景には、加速していくテクノロジーの進化や、社会構造の劇的な変化に対応できる人材を、一人でも多く育成していこうという思いがあるのです。


参考書籍・記事等




プログラミングの教室はこちら

プログラミングに役立つ記事はこちら

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