本記事の内容(目次)
まずは、原作者の紹介から。
この絵本の原作者は、フィンランド、ヘルシンキ出身のプログラマー、作家、イラストレーターのリンダ・リウカスさん。
フィンランドといえば、日本よりも早い2016年にプログラミング教育の必修化をした国。また「フィンランド式読み聞かせ」といって、読んでいる途中でお話の内容に関係する問いかけをするという読書方が一般的な習慣になっています。絵本の「読み聞かせ途中」や「読み聞かせ後」の「問いかけ」は物語の理解度を高めると言われており、そのような論文も出ています。
「ルビィのぼうけん」も、物語について問いかけする構成になっています。
出版社のサイトでは下記のように紹介しています。
この絵本では、プログラミングのいわゆる「コード」は一文字も出てきません。
4~11歳の子どもが親と一緒に楽しめる工夫がされており、前半の「好奇心いっぱいの女の子、ルビィが宝石集めの冒険をする絵本パート」と、後半の「練習問題パート」を通じて、プログラミングに必要な考え方に触れることができます。
確かにコードは全く出てきません。
プログラミングのことを全く知らなくても安心して読み聞かせできます。パソコンが苦手な方だって問題ありません。
ルビィのぼうけん こんにちは!プログラミングは、2パートに分かれています。
1パート目は、女の子ルビィが5つの宝石探しの冒険にでるお話。
全10章のおはなしとなっています。ルビィの紹介からはじまって、パパのお手紙がきっかけで冒険に出て、いろんな登場人物との出会いのエピソードがあるというストーリー。
プログラミング経験のある方だと、これは「繰り返し処理」の話だなとか、これは「条件分岐」の話だな、とか気づくと思います。
もちろん、幼児や子どもにとっては、そんなことはわかりません。普通の絵本と思って楽しくお話を聞いていることでしょう。
2パート目は、1パート目の内容に関連したレッスン。
こちらも全10章となっています。
1パート目の楽しいお話に関連した問いかけがあって、親子で取り組める楽しいレッスンがあります。ちょっと難しい問題もありますが、なかなか楽しい問題となっています。
問いかけって、親は、「〇〇ってどう思う?」とか「〇〇はどんな気持ちだろう?」とか結構お決まりのパターンになりがちですよね。子どもも、だんだん答えるのが面倒になってきたりして。
この絵本の問いかけは、クイズやレッスンなので、そんな心配は全くないです。子どもの方から「次の問題は何?」って感じになっちゃいます。
例えば下記のようなことが学べます。
・アルゴリズム
・演算子
・関数
・シーケンス
・デバッグ
・変数
・ループ
難しい用語が並んでますが、どれもエンジニアの世界ではよく使うものばかり。でもお話の中では、これらの言葉は一度も登場しません。
プログラマーの技術書に出てくる言葉の考え方を、その言葉を使わずに思考方法を伝えています。これは。。。見事です!
「パソコン苦手だから。。。」という方もいると思います。
プログラミングどころか、そもそもパソコンをほとんど使ってない。。。
でも、大丈夫!
この絵本は、パソコンを全く知らなくても読める本です。問題なく子どもに読み聞かせができますので安心してくださいね。
大人向けに、「おどうぐ箱」というコーナーで、プログラミングの概念について別途説明覧があります。 「おどうぐ箱」は、子どもに説明するときのツールとして役立てるものですが、これだって、とっても優しい説明になっています。
5歳の娘に購入。渡した当初はまったく興味をもっていませんでしたが、物語を読み始まるとぐいぐい引き込まれていきました。
ちょっと長いので、続きはまた明日~といって寝るので、翌日にまた読むのを心待ちにしているようです。
帯にあるように、思考力を鍛えてくれそうです。
また、巻の後半には「問いかけ」があり、「あなたならどうする?」と問いかけることであーだこーだと会話がはずみます。親子のコミニュケーションも増えて、とても満足しています。問いかけへの娘の答えは支離滅裂ですが、あまり過度に期待せずに、これからも読んでいこうと思います。
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うちでも会話がとてもはずみました!
Hour of CodeやScratchを始める子供達に プログラミングの考え方を理解してもらうのに 最適な絵本だと思います。
本の後半が簡単なワークショップになってますが 理解のある親御さんが手伝ってあげないと 実践は難しいと思います。
実際にやってみたら必ず効果はあると思います。
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うちも最初、Hour of Codeをやってみたのですが、子どもはゲームと思い込んでしまいました。この絵本の方が夢中になってました。
確かに、2パート目は子供だけでは難しいですね。親と一緒にやることで効果が上がるし盛り上がりますね。
紹介記事で受けた印象ほどは良くなかった。
プログラミングを分かっている大人が読めば意味は分かるが、話はいかにも外国の絵本という感じで面白くはない。
多分子供も面白いとは思わない。
Amazon
これ分かります。
僕も「これ面白いか?」って最初思いました。
でも子どもは違う目線で見ているんですね。娘は宝石の色や小物に興味を持ち、息子は「何でそうなるの?おかしいでしょ!」と突っ込んでて、ストーリーではないところで楽しんでました。
2パート目のレッスンに挑戦していくと、1パート目が段々と面白くなる感じでした。
一緒にレッスンをしてるとき息子に、
「コンピューターに指示を出すときは、こんな風に伝えるんだよ」
と言ったとき、
「コンピューターには細かく言わないといけないんだね」
と返事してくれたとき、ちょっと嬉しくなりました。
幼児向けの本かなと思ってましたが、小学生こそ楽しめる本なのかもしれません。実際小学校のプログラミング授業で使われますし(文部科学省「プログラミング教育ポータル」)
3歳の娘には、ちょっと難しいかなと思うレッスンは読み飛ばしました。飛ばしたレッスンは、成長に合わせて後で取り組めるので楽しみは続きますね。
絵本で、1,980円(税込み)は少々お高いですね。でも、コンピュータ関連書籍と考えると高くもなく安くもなくという価格です。
この本は1回読んで終わりではなく、子どもがコンピュータと向き合うときの思考の再整理に使えるのでコスパは悪くないと思います。
プログラミング教育に対して苦手意識が強い方、何をしたらいいかわからない方、まずはこの絵本で子どもと楽しい時間を共有しながらプログラミング教育を実践してみましょう。